PR

2002-02-10「カタクリ家の幸福」

おはようございます。沢田研二です。
「沢田研二のそんなんこんなん」、今日も僕、沢田研二と30分間お付き合いください。
明日、2月11日は建国記念日でお休みですから、
昨日から3連休という人も多いのではないでしょうか?
うん。うん。うん。
2月8日にはソルトレイクオリンピックが始まりまして、
2月14日はバレンタインと、イベントや行事が盛りだくさんの今日この頃ですが。
来週にはさらに大きなイベントが控えております!
私が出演した映画、「カタクリ家の幸福」が全国に先駆けて
2月16日に大阪地区で公開されるという大イベントがございますよ!
はいな!
この映画はホラーミュージカルコメディーでありまして、
ちょっと怖い話でもあり、ホームドラマでもありぃの、
極めて日本的なミュージカルでもありぃの、結局は笑ってもらうっていう映画なんですけども。
ちょっと時間をいただいていろいろお話させていただいたり、
そのように思うわけです、はい。
公開目前の映画、「カタクリ家の幸福」について今日はお話したいと思います。
それでは「沢田研二のそんなんこんなん」、暖まりながらボチボチいきましょう。
まずは1曲聞いてください。映画の挿入歌です。
研二と慶子で「まごころよりどころ」。

♪まごころよりどころ

CM

1008ABCラジオでお送りしている「沢田研二のそんなんこんなん」。
まず、この「カタクリ家の幸福」の宣伝用のキャッチコピーが、
「家族6人次々と降りかかる災難も、歌って踊ればすべて解決!史上最強のホラーコメディー!」
ということなんですけどね。
これだけでは何のことかサッパリわからない・・・という方も中にはいらっしゃいますでしょうか?
ちょいと説明させていただきます。
私、カタクリマサオはとあるデパートの靴売り場に勤めておりましたが、
そこで妻・松坂慶子をめとり幸せな家庭を築くかに見えたところ、不況でリストラ。
そこで思い立ったのが、山奥に幹線道路が通るというその言葉を信じて、
ペンションを建てるわけでございます。「白い恋人たち」に家族を呼んで。
妻はもちろん松坂慶子さん、父・丹波哲郎、長男・武田真治、長女・西田尚美、
それから孫の宮崎タマキ。
この6人がペンション「白い恋人たち」を経営するわけでございますが、
待てど暮らせどお客様は1人も来ない。
今日も来ない・・・誰も来ない・・・とそんな日々を送っている中で
やっと現れた1人のお客。
何やらどうも元気のないそのお客さま。
あくる日になりますと、なかなか朝食に起きてこない。
そろそろ見に行くか、起こしに行くか、と言って起こしに行ったところ
ナナナナント!
初めてのお客さんが部屋で自殺をしているではありませんか!
ま、そんなわけでそこから物語は、悪い方へ悪い方へと転がり落ちていくわけですが、
それと共に家族の絆がだんだんだんだんと強くなっていく話なんですが、
全部やっていては2時間半かかりますので・・・・
そんなような話なんでございますがね。
ま、とにかく最初に台本が来た時に、「これはミュージカル映画である」と。
それもアメリカ的な洗練されたミュージカルではなく、
極めて日本的なミュージカルであるというところに私、惹かれまして。
そしてなんと監督さんが三池崇さん。
もうドンパチ映画を撮らせたらすごいっていう人らしいんですが、
私、申し訳ないんですが1作も観ておりません。
その噂の、今や売り出し中の三池崇さんがなんとこんなドンパチなしの映画ですよ。
そういう人が撮るのはおもしろいって僕は思って、お受けしたわけですが。
なんと台本を読んでみましたら、
妻は松坂慶子さん、父は丹波哲郎さん、長男・武田真治くん、長女・西田尚美さん。
それから結婚詐欺師、西田尚美さんに言い寄る男に忌野清志郎さん。
こういうメンバーですごい「ホントにこれで決まってるんですか?」って聞いたくらいなんですよ。
ですからね、入る前から「これやったらおもろいやろ」と思ってたんですけど、
で、撮影してね、初めてつながったのを観たんですよ。
業界の人ばっかりやったのね、観ても笑わないのよ。
誰も笑わなくてね、笑っても「クス」ぐらいでね、毒にも薬にもならないじゃない。
で、誰かに感想を求められた時にどう言おうかなぁ、と。
「不思議な映画ですねぇ」としか言いようがないなぁ、と。
ところが東京国際映画祭でですね、オーチャードホールで上映されたんですよ。
その時、僕、3階で観てたんやん。
そしたらお客さん、笑う笑う!
「えっ!?」
僕のファンばっかりじゃないよ。
ファン以外の人の方が多いんやから。
そりゃもうすごいもんですよ。
笑ってくれてありがとう。。。これは笑ってくれていい映画なんや、と。
そのことがやっとわかった次第でございまして。
これはもう力入れますよ。
私も久しぶりに力入ってますよ、力入れんようにせんとダメですけど。
力入ってます。
そんなことでね、今日は映画の話をいろいろしたいと思ってますが、
この映画のサントラのCD、2月14日に出るんですけど。
その中から1曲聞いてください。
これは回想シーンとして出てくる曲なんですが、
ペンションに引っ越ししてきた時に歌う曲なんです。
「ここで暮らそう」

♪ここで暮らそう

「ここで暮らそう」。聞いていただきました。
さて、すごいメンバーが揃った映画なんですが、結構共通点があると思うんですね。
みなさん、熱演しない方なんです。
割とサラッとした芝居をする方たちですね。
ま、清志郎さんの場合はちょっとテレ気味に地が出ちゃうという感じですが。
松坂慶子さんは初めて一緒にお仕事したんですねぇ。
でも歌番組とかではね、「愛の水中花」という大ヒット曲をお持ちの方ですから、
歌手としてのキャリアはお長い人でありまして、で、年代も同じくらいですから。
で、初めてお会いして。
真面目な方でね、もう真面目な話しかしはらへんのね。
差し入れにカップヌードルを入れてくれはったり、とそんな話もありましたけど。
踊る時もね、一生懸命キレイに踊ろうとされるんですよね。
ところが振り付けっていうのは、そんなキレイに踊らなくてもいいっていう踊りなんだけど。
やっぱりね、みなさん個性があるんですよ。
振り付けられた時点とは、ひと味、ふた味くらいついてしまうのね。
例えば踊りで言うと、松坂さんはキレイに踊られるでしょ。
で、武田真治くんの場合は「僕は踊れる」っていう自信があるんでしょうね。
だから振り付け以上のことをいっぱいやってるんですよ。
ダウンしたり、ジャンプしたりね。1回転のところを2回転したりね。
だから振りがみんなそれぞれ違う。
そのうちね、振り付けの構成さんも「ここはフリーにしましょう」とかってなってくるんですよ。
そしたら武田真治くんなんか、自分でいっぱい作るわけですよ。
それでまたカッコいいねん、若いから。
手足の長さは私とそんな変わらないんやけどね。
ま、そんなことで。
丹波哲郎さんなんか、「ここは1拍置くのか、置かないのかどっちなんだ!?」って。
怒らんでもええやないか、話聞いてなさい!みたいな感じで。
「ん?」ってな感じでマネージャーとお付きの女の人が、
「違う。先生、次です!」「ん?」「次です」「ん?」
「ん?」はいらないよ・・・ってホント丹波さんはおかしいですよ。
丹波さんの口癖。
「沢田くん、僕の出た映画は当たるから」
もう昔からずっとそうなんですよ。
当たりますよ。
ま、とにかくね、顔ぶれ見ただけでもおもろい映画ですわ。
割とみなさん役にグーッと入り込んで、役作りっていって普段から役になりきって
境目のない人っているけど、みなさんちゃんと境目がありましたね。
丹波さんは霊界から行ったり来たりしてましたし。
僕もバカ話したら、すぐ真面目な男になりましたし。
みたいなことでやっておりました。
ちょっと困ったのはね、ちょうど最初の歌って踊ってるシーンを撮る時に
風邪ひいたんですよ。京都の寒さに。
京都、冷えてましてね。
スタジオだったんですけどね、あ!スタジオと両方だ。
京都の右京区の山の奥で撮ってたんですね。
それからスタジオになった時にちょうど風邪ひいてね。
僕、鼻声やったんですよ、他の人は聞いたらわかるんやろな鼻声。
で、「勝手にしやがれ」の時もグアム島かどっかに行ってちょっと鼻声やったんですよ。
鼻声になった時に売れるんですよ。
変なこじつけですけどね。
はい、そんなことで。
その風邪をひいたってところで、これは2月14日のサウンドトラックの中から
最初に家族が歌い踊るシーンです。「うわぁ」。

♪うわぁ

1008ABCラジオでお送りしている「沢田研二のそんなんこんなん」。
今日は「カタクリ家の幸福」についてお話しております。
ここで、映画「カタクリ家の幸福」を10倍楽しむ、
沢田研二がオススメする3つのポイントをご紹介しましょう。
「ここは絶対チェックよ!」というところやね。
まず、1つめ。
さっきの「うわぁ」というやつですけど、これ最初台本ではただの芝居なんですよ。
自殺した人を発見するっていうところの。
ところがここでね、イメージとしてはツイスト&シャウトみたいな
「ウワーッ、ウワウワウワウワァァ」とかってハモってですね、
どないしょうかいな?みたいな。
死んどるがな!っていうのを歌と踊りで表現する。
で、台本のセリフをそのままメロディにしてしまうってことで、
作ってもらおうってことにしてたんです。
「これはどういう映画かってことをここで見せとかなあかんのちゃうの?」と
私、僭越ながら思ったわけでございますよ。
でしゃばりなんですよ、私。
ちょっとオバサンしてしまったわけですけどね。
でもそれが採用されて、ここのメロディ全部僕が考えたんよ。
「お、落ち着け♪」とか「ナイフ持ってるんならナントカカントカ♪」って
全部、私が作ったんです。
そんなもん。
それで人の分まで全部入れさされて、ガイドで。
丹波さんのところも。最後に出てくるんですよ、丹波さん。
「よっぽど未練だったんじゃろぉ~♪」とかって。
で、丹波さんなんかずっと口合わへんから後ろ姿から登場や。
でもピシッと締まるからすごいもんですわね。
はいな。
この「うわぁ」ってところで歌い踊ってる最中にね、
私すごい技を見せてるんですよ。
ここはチェックしていただきたい。
昔、ドリフターズの時、ヒゲダンスってのがあったでしょ?
あれをやってるんです。
どこでやってるかはみなさん見つけていただければ。
短い歌ですからね。
やってるのは1カ所だけ。すぐわかるから。
ヒントは「落ち着け」っていうところ。
「お、落ち着け♪」ってところで手をこうやってるんです。
ああ、言うてもうた言うてもうた。
そこらへんもチェックしてもらうところですね。
ここでだからウケるのよ。ウケるよ、ここは。ウケまっせ~。
はい、2つ目のポイント。
さっきもちょっと言いましたけど、丹波さん。
丹波さんねぇ、「おお、俺は大丈夫だよ。大丈夫。できるよ、やったことないよ」って言ってて。
初めて踊ったんですけどね、度胸が据わってます。
霊界を行ったり来たりしてる人ですから。
「だからこういうのはね、僕はソリストだから1人で歌うのは得意なんだよ」って
歌ってくれるわけですよ、クラシックのメロディとかオペラのメロディを。
ただリズムが、「その、リズムがあるとちょっと苦手かな」ってものすごく苦手なんですよ。
それぞれ僕を見てたり、子供のタマキちゃんを見てたり、松坂慶子さんを見てたり、
武田真治くんを見てたり、西田尚美さんを見てたりすると思うんですけど、
丹波さんを見てたら「ありゃま!」とおもしろいことが発見できるかもしれません。
しかし、さすがに丹波さん。
もうビッシリ。
「初めダメでも後揃う」、「途中ダメでも前と後が揃う」。
はい、ご注目ください。
では3つ目のポイントは武田真治くん。
踊りはね、さっきも言ったけど得意でしょ。
踊りたいってやってるんですよ。
あと、この人の役の設定が、昔ちょっとお金関係で問題を起こしたことがあるっていう
役どころなんですよ。
だから財布がなくなったとかっていうとすぐに疑われるんですよ。
誰からでも。その時の上目遣いのうまさねぇ。
「な、何?何、俺を見てんの?」みたいなね。
っていうのを目だけで言うのよね。
その他にもいっぱいあってね、僕がおもしろいと思ったのはね、
いきなりクレーアニメで始まるわけですよ。粘土細工ね。
最初のやつは出演者の誰でもない誰かでしょ。
そっから火山が噴火しますわさ、その後にクレーアニメになるんですよ。
それぞれみんなね、写真撮られたのよ。
写真撮られて似せてくると思うやん。
どんなけ似てるんやろって思うたら、全然似せないのね。
これは監督の注文やと思うんですけど。
だから声が聞こえてきてもどれが誰やかわからない。
ポチだけはわかりやすいわな、犬やから。
あと、丹波さんと僕の区別がちょっとつかない。
服もよく見たらわかるんやけど、両方とジジモジ色来てるでしょ。
だからわかりにくいのよね。
あれがまた笑えるわけですよ。
だからアニメだからできることがあったりね。
はい、ま、そんなことがあったりの。
おもしろいところが満載でございます。
とにかくね、小さなお子さまからおじいちゃんおばあちゃんまで楽しんでいただける映画でございます。

CM

「沢田研二のそんなんこんなん」。もうお別れの時間です。
すぐに経ちますなぁ。
映画の話も尽きないんですが、ぜひみなさんもご覧になってですね、
何度か見るといろんなことが発見できる。1回ではわからない。
僕も今のところ2回見てるんですけど、3回見たらまた違うと思うんだな。
とりあえず、出ても楽しい見ても楽しいっていうのが映画かな。
あんまり人のは見ないんですよ。
ようそんなん言うなぁ(苦笑)
さて、僕の来週の予定ですが。
「カタクリ家の幸福」。これがいよいよ。
お待たせいたしました。公開されます。
2月16日大阪・シネルーブル梅田。
23日から京都・京極弥生座、神戸・シネルーブル神戸。
2月16日の舞台あいさつには行きます。
前売り券が絶賛発売中でございまして、劇場でチケットをお求めになりますと、
「白い恋人たち」コースターセット・・・セットですから何枚か入ってるわけでございますね?
2枚?じゃお2人様に。
前売り券を買うとついてくるということですね。
2月14日には今日、番組の中で紹介した曲が入っているサウンドトラックCDがリリースされます。
こちらの方も楽しんでください。
それでは「沢田研二のそんなんこんなん」。
お相手は僕、沢田研二でした。
素敵な日曜日をお過ごし下さい。
見なば見る時、見れば見る時、見なあかんで。

カタクリ家の幸福 [DVD]
ぐるぐる王国FS 楽天市場店

タイトルとURLをコピーしました