PR
スポンサーリンク

2002-02-17「鍋」

1008ABCラジオ「沢田研二のそんなんこんなん」。
好きな人と2人でつついても、仲のいい仲間と囲んでも、
なんやワイワイワイワイ楽しいのが鍋でございまして。
もうお腹空いてきました。
家で食べても、外で食べても鍋はうまいんです。
で、簡単でよろし。
私、小さい頃に食べた鍋で変わってるのがね、イワシとネギだけっていうのがあったんですよ。
つくねじゃないんですよ、骨を取った身だけが開いてあるんです。
それをネギだけで、ポン酢と大根おろしか何かと食べるんですよ。
やせの大食いでしたからね、うまかったねえ。
日曜日は何か鍋なんですよ、鉄鍋でね。
すき焼き、あれは鍋とは言わんのかな、あれは。
父親がやってたんですけど、奉行さんになるわけですけど、鍋奉行にね。
で、用意して片づけるのは母親、みたいな。
日曜日はね、そんな感じだったんですけど。
今、こう寒い日が続いたりしますと、雪もチラホラで外出てくのめんどくさいなぁ…という時には、
手軽にサササッとできるんだ。
女の人はポン酢とかまで作り出すと大変だし、ダシを煮出して作るのは困るけれども、
水炊きっていうのはえらい手軽でええね。
ウチにはね、鍋用に七味大根、
赤い辛子が入った大根を袋詰めのやつを買ってきて冷凍庫に入れてるんですよ。
これは鍋の時には必ず、長ネギ、万能ネギ、ワケギがある時はワケギ。
もうネギは常備してあります。
野菜が食べられるっていうのが鍋のええとこですね。
鴨鍋っていうのも、最近では鴨肉を売ってる専門店ではセットで売ってるんやね。
鴨肉とおつゆ。何倍に薄めてください、あとは好きな野菜を入れてくださいってのがあるんだ。
流行りではふぐちりのセット。
下関のフグ。
「直送します」とか。
かにすきセット、しゃぶしゃぶセットとかまぁいろいろありますわね。
食べるにはワイワイやってもええし、テレビ見ながらでもええねぇ。
でね、ウチの場合は鍋やってるとネコが寄ってくるんだ。
ネコがイスに座っとんねん。一番ええとこに座っとんねん。
で、肉のあるそばには必ず来るわけよ。
そばにピアノがあるんですけど、そこには必ずマナちゃんって子がいるんですけどね、
マナちゃんが僕のことを見てないフリして見てるわけよ。
僕が何かピッとつまむと、ピッと見るわけよ・・・あ、余計な話でした。
この頃はテレビを見ながらっていうのもいいですけど、
コタツの場合はやっぱ差し向かいがいいんですよねえ。
そんなことでね、2人の時はちっちゃい2人用の鍋があるんですよ、早く煮えるやつね。
3人以上いる時は大きな鍋でやるんですよ。
ウチには2つあるんです。もうバッチリですよ。
うまいよ~。
では、この辺で1曲。
鍋はおいしくなるまでじっと待つ。
待てない時にもじっと待つ。
「愛まで待てない」。

♪愛まで待てない

「愛まで待てない」。
でも鍋は煮えるまでちゃんと待たなあかんのよ。
ウチでできるなら水炊きっていうのが一番いいんですよね。
で、一番多いのが鶏の水炊き。もも肉がよろしいな。
あとは鴨鍋のそういうセットを買ってくる。
あと鹿児島の黒豚送ってもらって。
あとはきりたんぽもうまいね、秋田の。
最近はウマイもんは何でも売ってるで。
そんなんナイナイってデパ地下行ってみ。何でもあるわ。
で、家で食べる鍋もいいけど、外で食べる鍋もこれまたウマイ。
後かたづけせんでええ。
僕はね、子供の頃、父親の寄り合いがあるとね、ついて行ってたん。
その店っていうのがね、なんと京都は四条先斗町上がる左側にある「イチリュウアン」というね、
一粒の庵ですな。「一粒庵」と書くんですが、そこに行ってたんですよ。
幼心に・・・ここのゴマだれは水っぽくないのよ。
だからもうお通しかな、と思う人がいるくらいなんですよ。
これをつまみにお酒が飲めるっていうくらいなんですよ。
それはまぁウマイ。
もちろんポン酢も出てくるの。
ここの肉っていうのがね、近江牛の真ん中をスポッっと切ってあるロースだけなんです。
野菜なんかもネギとか入ってる、春菊・・・関西と関東の春菊で違いますけどね、
あとニラがちょっと豆腐、椎茸、湯葉・・・京都らしいですな。
これがすぐに煮えるん。
沸騰はせえへん。
こぼれたりせえへん。
子供の頃には、小さい頃にはそのゴマだれしか覚えてなかったのよ。
それがタイガースの頃にバンドウさんに連れていってもらったのよ。
お師匠さんに連れて行ってもらったのよ。
それで「何かここ来たことある、何か来たことある」って思ってて親父に聞いたんですよ。
そしたら「ああ、そういうとこあったなぁ」程度に言うてたんですよ。
で5年くらい前になっていっぺん連れていってやったんや。
「ここ来たことないか?」って。
「ここはしょっちゅう来てた」って言うんですよ。
はいな。
そんな縁の深い、それがこの間の狂牛病騒ぎで上がったりやいうやないですか。
もうみなさん行ったげてください一粒庵へ。
で、あとはね、大阪ハリハリやね。
クジラ。
徳家はもう有名ですやん。
相合橋筋に今もありますけど。

(※2019年に閉店しています)
https://www.sankei.com/article/20190522-TDJ2XPJMZNJA7KGXGKOWCYJFA4/

この間食べに行って、法善寺の横のビルになったんですけどね。
そこの2階と3階なんですが。
そこが最近ハラペーニョを隠し味に使こてるねん。
あともう1軒ね、堺筋の近くに、タンの脂のところを隠し味に入れとんねん。
空堀にもありますがな、ハリハリはどこにでもある。
大阪はフグが安い。ピンからキリまであるよ。
キタなんかで、こぎれいな店入ったら高いけど。
こぎたない店入ってみなさい。安いよ。
それとね、もう1つオススメ。これは高い!
1人2万5000以上。どうする?
なかなか行けへんよ。
スッポン。
これは京都の「大市(だいいち)」、有名なお店なんですけど。
4時には開いてもう7時にはラストオーダーくらいの店なんですよ。
こりゃあ、ここ行ったらもうギットギトになるよ。
スッポン、ここはもうお野菜もなんも入らへんの。
スッポンを7000度とかいう高熱でコークスで、特別の鍋で煮てるわけや。
それを煮た身とそのスープで雑炊。
その2種類しか出てこない。
このスッポンにはね、日本酒。ワインも合うかもしれないな。
家で食べるのもいいですが、外で食べるのも贅沢。
それではここで1曲。
「カタクリ家の幸福」から「まごころよりどころ」。

♪まごころよりどころ

1008でお送りしている「沢田研二のそんなんこんなん」。
もう一つね、僕が勧める鍋料理といえば、ちゃんこ。
これはちょっと作るの大変でしょう。
作るの大変やと思うんですけどね、送ってくるんですよ。
花田勝くんから。お兄ちゃんからね。
これは九州の田川ってところのお店から送ってくる。
スープから何からあって、殻付きのエビから練り物からね、鶏肉から豚肉、
白菜もおっきいままで来るのよ、これそのまま入れられへんやんって。
ま、お相撲さんやからこんなもんかなという感じですけどね。
キャベツも入ってるんですよね、もやしも入ってるゴボウも入ってる、もう至れり尽くせり。
これはやっぱりウマイ。
あとちゃんこ鍋で私がオススメするのは、なんと花の広尾にあるんですよ。
そのところに美容院があってね、時間がない時はそこでやってもらうんですよ。
でね、フッと見ると「玉海力」って書いてるわけや。
最初に発見したのはもう何年も前ですけど、玉海力が引退してすぐできたんですよね。
のぼりが立ってるので「あぁ引退したから始めたんやな」と。
でも本人じゃないだろう、と。
こんな花の広尾にね、明治屋とかあるところよ。
こんなとこでやったかて流行らへんでって。
何回通ってものぼりがあるのよ。
これはロケハンに行かなあかんってことで、1回その前を通ったわけよ。
その時、おっちゃんが焼き鳥焼いてるわけや。
「あ、今日はやってる」と。
で、引き返してまた前通るわけや。
で、その焼いてるおっちゃんに聞いたわけや。
「ここは玉海力関がやってらっしゃるお店なんですか?」って。
「うん、そうだよ」って。焼き鳥焼きながらね。
焼き鳥焼くのに集中しながら、返事だけしてくれて。
「玉海力関は今日はいらっしゃるんでしょうか?」って。
「うん、いるよ」って。
あぁそうかって。僕ファンやってん。
あんまり大きな声では言うてないよ。
なんで好きかって変なオジサンみたいな顔してるからや。
あの人ねガーンってぶつかる相撲の人やったから頸椎を痛めたんたや、首を。
それからね、ガーンってぶつからへんぶん大技を使う人になったん。
で、やってるっていうから入っていって、いたんですよ。
その前にお兄ちゃんが大関に上がった時に玉海力が関取に上がって、
酔った勢いで飲んだ勢いで僕もちょこんと隣に座って、
「沢田です。ファンなんです、がんばってね」って言ったことがあってね。
ファンだから、ファンが来たって感じですよ、玉海力は。
食べてたらね「これサービスします」って持ってきてくれたり、
玉海力は本書いてるんですよ、今までの自叙伝を。
それにサインしてくれるんです。
ちょうだいって言うてないんですよ、ファンやと思てるからくれるんですよ。
そこの店はちゃんこはさっぱりした味なんよ。
みそ味としょう油味っていうのがあって、あとテーブルにゴマ。
すりゴマがいっぱいあんねん。
すりゴマがなかったら遠慮せずに「すりゴマがありません」って言うたらええねん。
好きなだけ突っ込んだらええねん。これはいいよ。
そんなわけでね「玉海力」。
ここは焼き鳥もあるし、刺身もあるし、
全国津々浦々から相撲を取ってた時の関係を利用した食べ物がありますから。
焼酎もあります。
おいしいですよ、ホントお腹すいてきた。
鍋はやっぱ話すものではなく、食べるもんやってことですな。

CM

「沢田研二のそんなんこんなん」。
もうお別れの時間です。
なんかね、しゃべり出しは冷静なんやけど、
しゃっべってるうちに興奮してくるっていうのがよくわかりますね。
お腹すくからですよ。
ん~、ね~。
いろんなものを少しずつ。。。これはウチの父親の口癖なんですけどね、
それが一番贅沢や、って言うんですけどいろんなものを少しずつ少しずつ、
レコーディングの最中は規則正しい生活なんですが、
すぐ不規則になってしまう。。。
さて、私の今週の予定ですが、出演中の「カタクリ家の幸福」。
これが大阪・シネルーブル梅田、京都・京極弥生座、神戸・シネルーブル神戸で絶賛公開中です。
まだ見ていないという人はぜひ一度ご覧になってくださいませ。
そして一度見た方は二度三度とよろしくお願いします。
それでは「沢田研二のそんなんこんなん」、お相手は僕、沢田研二でした。
この後も1008ABCラジオでお楽しみください。
鍋は煮詰まったら水を入れましょう。
煮詰まったらアカン。

タイトルとURLをコピーしました