――私が音楽にハマるきっかけになった憧れのボーカリストにインタビューです。どうも~!!ヘッドホンおじさんです!よろしくお願いします!(テンション高め)
ウツ:よろしくお願いします(困)
――そうなりますよね…失礼いたしました。早速ですが、自己紹介をしていただいてよろしいでしょうか。
ウツ:宇都宮隆と申します。
――やりました!私、DJ人生で一番お会いたかったボーカリストでございます。
ウツ:ありがとうございます。
――近況をまず振り返ってみようと思います。4年前、2018年にソロデビュー25周年記念アルバム「milestone」がリリースされました。翌年にはTMデビュー35周年を記念した全曲がTM NETWORK曲というツアー。周年続きでしたね。
ウツ:まさか自分が「1人ネットワーク」をやるとは思わなかった。
――お祭りという感じでした。そこから2020年は新型コロナウイルスの流行で、エンタメ業界全体がストップしてしまうという時期に入りました。2021年秋から冬にかけて、2つのツアーを敢行して、年末にはTM NETWORKが再始動を発表。
ウツ:自分もまさかという感じ。再始動は僕の中では考えてなかったので。ただ、一緒に会う機会を何回か作って。もう音楽を辞めるって言ってた人だったので、それはモッタイナイんじゃないかなっていう飲み会。せっかくここまでやってきたのにモッタイナイ。別に作曲しなくてもキーボードを弾くだけでも音楽は成立するから…という話を何回かしてるうちに、彼にも思うところがあったのか突然「やっぱTMかな」になっちゃったみたいで。
――うれしい!ファンとしてはそこでTMが出てきたことがうれしい!「音楽やめなくてもいいじゃない」と言ってたところから「TMでいく」と返ってきた時のウツさんの反応はどんな感じだったんですか?
ウツ:実際には秋元さんの曲を書いたり、徐々に始まってきた感じがあって。そういうので全然問題ないし、音楽に触れていくのはいいことだなと思って。そこには布石があって。僕のソロとかライブを見に来るっていうのは今までなかったんで、飲み会の席で「僕、今度1人で35周年やるし来てみれば?」って。それゆけ歌酔曲にも誘ったりして。そしたらライブにも来るようになってきたこともTMにつながっていったのかなっていう感じはします。
――配信された復活ライブは全て見させていただきました。また、アレンジが全然違うものもあって。
ウツ:そこは小室のお得意というか。ちょっと崩したりするのはいつもの感じがする。普通にやる曲もあったけど、「これ直してみたいな」とか「何か壊してみたいな」とかが出てきて「あ、元に戻ってきたな」って。昔のライブの時もリハーサルで「これ何のアレンジ?」っていつもそうなるんで。歌い手としてはそこを戦ってきたんで。
――イントロ当てクイズみたいな。「これ何の曲が始まるんだろ?」と思いながら、ウツさんが歌い出して「あ!これだったのか!」っていうのがよくあるんですけど、実はウツさんもそこを戦ってらっしゃったんですね。
ウツ:そうですね。でも慣れてるんで。
――今、非常に貴重なお話をうかがっておりますが。ここからさらにいろんなお話を聞いていきたいのでこちらのコーナーにいきたいと思います。
<カードエクスプロージョン>
――トークテーマが書かれたカードがございます。カードを選んでいただいて、そのテーマでお話していただくというコーナーでございます。今日は2つのカードを用意しましたので、1番か2番のテーマでお話をしていただくという。
ウツ:1番
――「これだけは譲れないこだわりの話」
ウツ:譲れない?なんだろ?「これだけは」というほどのこだわりはないと思うんですよ。僕がこだわっちゃうとTMの3人組は存在できなかったはずだから。もし、音楽面でこだわりがあるとしたらソロの方が強いかもしれない。
――ソロでのステージのこだわりっていうのは?
ウツ:僕の作り方は決まってて。ライブなんですけど、オープニングからエンディングまでの流れを一番こだわる。曲と曲の合間もこだわるし。あと、一番こだわりが強いのは遊びでも何でもいいんですけど「負けたくない」。トランプだろうが何だろうが絶対負けたくないです。そこがこだわりかな。
――昔、TMの時、ツアーの時に卓球セットを持ち歩いていたみたいな時も絶対負けたくなかった?
ウツ:絶対に負けたくなかったです。
――続いては、そのこだわりが詰まっているであろうライブの話を。「それゆけ歌酔曲ギヤレイワ4」広島公演がもう来週に迫っております。こちらのメンバーが、ウツさんのライブではよく見るメンバーではあるんですけど、楽器パートで気になったところがあるんですけど。
ウツ:それは野村義男のことですね?
――ベースと書かれているんですけど…?
ウツ:8年前から始まったんですけど、その頃からベースです。なぜかというと、ギターはもういるから。
――そんなことで?学生が「バンドやろうぜ」みたいな話あるんですか?
ウツ:それに近いです。よっちゃんとは一緒にやろうと思っていて、松尾バンちゃんともやりたいと思ってたから聞いたんですよ。「ダブルギターにする?」って聞いたら「いや、僕、ベースでいいです」って言ったのは向こうで。
――野村義男さんと言えば攻めたギターでみなさんご存じだと思うんですが、ベースも攻め気味のベースですか?
ウツ:曲によってはガンガンに攻めてます。ギターなの?ってフレーズが出てきたり。
――これは面白いですね。「それゆけ歌酔曲」はツアー名が「歌に酔う曲」と書いて「歌酔曲」となっておりますが、カバー曲ですよね。それもただカバーするだけではなくて、歌謡曲と洋楽をマッシュアップしたようなアレンジ。やはりウツさんのアイデアですか?
ウツ:普通にカバーすると誰かがすでにやってることと一緒になるので、僕たちなりの形にしたいなというところから。松尾バンちゃんとよっちゃんと僕はすごい時代を生きてきているので、洋楽の引き出しが豊富。そこからアレンジがいっぱい飛んでくるので、もう全曲このスタイルでもいいんじゃない?って。ずっともう何年も続くようになって。
――面白いですね。2019年と2021年のセットリストが手元にあって。アレンジの名前が例えば、内山田洋とクールファイブの「中の島ブルース~TM風味」。TM風味?
ウツ:ニシケンくんの歌う曲だけTMさんを使わせてもらってて。
――ニシケンさんはTM NETWORK大好きでいらっしゃるから。
ウツ:そういうところも含めて、イントロにTMの曲を足して、いきなり演歌になるっていうのがちょっと面白いかなって。
――お客さんはもちろんファンですけど、メンバーにファンがいるバンドって珍しいと思うんで。リスナーの側に立ったパフォーマンスをしてくれるのは僕らにとってはうれしいライブ。いろいろお話をうかがってきましたが、お別れの時間が近づいてまいりました。それでは、リスナーのみなさんへ最後にメッセージをお願いします。
ウツ:今回、初めてという人もいるかもしれないし、毎回来てくれてる人もいるかもしれないですが、歌謡曲と洋楽のマッシュアップが楽しめる、いろんなところに遊び心が詰まったライブなので、ぜひ会場へ遊びに来てください。
――ありがとうございます。これからも私、追いかけ続けますので、ぜひ走り続けてください。
ウツ:がんばります。