TLに上がってきたポスター画像を見て「これは見なくてはいけないやつ」と急遽、予定を変更。
“Call Me By Your Name(君の名前で僕を呼んで)”を彷彿とさせる青い空に黄色のタイトル、キアヌとディカプリオが共演した”My Own Private Idaho(マイ・プライベート・アイダホ)”を彷彿とさせるバイクの二人乗り。
主役は2人とも美少年で、しかもアレックス役のフェリックス・ルフェーブルはほんのりディカプリオの雰囲気。
10代が経験するひと夏の恋と別れ、という設定だけでも十分見る価値があるわけだけど、ドラマティックな起承転結、美しい街並み、まだインターネットがなかった80年代の少年が陥る孤独。全てが一つに組み合わさっている。
華があるルックスで人当たりもいいし人気がありそうなのに、どこか陰のあるアレックス。運命的に出会った明るくて気さくなダヴィドとそのお母さん。
まぁどっちの側から見ても好きになっちゃうよね、あれは。
ダヴィドはおそらく男も女もたくさん経験してきてる一方、アレックスにとっては初めての恋。あっという間にハマってしまったのも無理ない。
だけど、大人になれば気が付く。恋愛関係でも友達関係でも職場関係でも「あまりにも早いタイミングで距離を詰めてくる奴には気を付けろ」。引きつけ合ったスピードが速ければ速いほど、その分、反発が起きるスピードも速いし反動も大きい。うまくいってる時は戸惑いながらも流れに身を任せておけばいいけど、雲行きが怪しくなってくれば、取るべき行動は慎重に選ばなければならない。まさに冒頭のボートのシーンのように。警戒するポイントはいくつかあったはずなのに、悪手を重ねてしまって戸惑い、空回りする終盤のアレックスは見ていてツライ。
・先生との接点はあるみたいだし学校には行っているようだが、学校の友達らしき人物が全く出てこない(冒頭で1人出てくるが、それだけ)
・住み慣れた町を離れて、2年前に引っ越してきたいきさつ
・それほど大きくなさそうな街で同じ学校に通っているはずなのにお互い知らなかった?
・アレックスの年齢(16才)の割には年老いて見える両親。祖父母かと思った
途中で流れるロッド・スチュアートの曲もすごくいい。