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「エリザベス 女王陛下の微笑み」観ました

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2022年6月に公開されていた映画。上映館は少ないけれど追悼上映という形で再度上映されている。在位70周年を記念して製作されたドキュメンタリーで、密着ドキュメンタリーではなくアーカイブ映像をテーマごとに編集しているスタイルだったのでどこかで見たことのある映像もたくさんあるものの、初めて見る映像もたくさんあったし、何より女王陛下がスピーチ以外で普通の会話をされている映像はほとんど見たことがなかったから、そこは新鮮だった。

常に世界中から見られる人生で、カメラに付きまとわれる生活だったはずなのに、その笑顔は穏やかで、言葉の端々からはとても人間味がありユーモアが感じられた。

面白かったところ①

叙勲などで、初めて女王陛下に会うことになった人たち(そして、おそらく最初で最後の機会)がスタッフから女王陛下から勲章を受け取る際の所作や振る舞いについてレクチャーを受けるシーン。

「話かける時の最初の一言目はYour Majestyで、それ以降はMa’am…」
「部屋に入ったら、まず2歩進んでそこで一旦止まって…」
「右手を置いて、左膝でひざまずいて…」

緊張して忘れそう。

面白かったところ②

行事のリハーサルを行う際に、女王陛下には舞台やミュージカルのようなSTAND IN(代役)が存在していること!

背格好や雰囲気が似た女性がよく似た服を着て、行事のリハーサルが行われていた。馬車に乗ってのパレードで代役のよるリハーサルが行われた時には、代役の女性が「馬車に乗る体験は楽しかったし、沿道にいる大勢の人が私でも手を振ってくれて。でもずっと笑顔でいることはなかなか大変」。”THE QUEEN”と書かれた札を首からぶら下げた人を中心に、進行ややりとりのシミュレーションをするシーンもあった。

面白かったところ③

外を見ていた女王陛下が4~5個の風船がからまって木に引っかかっているのに気付いた。側近が「枝ごとショットガンで撃って取っておきます」と答えると、「そんなことをしたら風船がバラバラに飛び散ってしまう。風船の死骸なんて見たくない。それはダメ」とたしなめられていた。

風船にもお優しい…

いわゆるドキュメンタリーとは違う

ロジャー・ミッシェル監督はコロナ禍で映画の撮影ができなくなり、女王陛下のドキュメンタリーを製作することを思いついた。確かにアーカイブ映像の編集であれば、撮影不要で映画が作れる。しかし、映画の完成後、2021年9月に監督が急逝。以前に書いた「ゴヤの名画と優しい泥棒」と同じ監督。

本人映像だけでなく、映画やドラマで俳優が演じている女王陛下の映像も挟んだり、ちょっとクスッとなるようなシーンも織り交ぜつつ作られているところが「開かれた王室」だと感じた。日本の皇室はまだそこまでいっていない。今上天皇では難しいだろうけど、個人的には上皇陛下や上皇皇后陛下がSNSを始めたら皇室のファンが一気に増えるんじゃないかと思ってる。

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